みなさんは「発酵食品」と聞くと、どのような食品を思い浮かべますか?
ヨーグルト、納豆、味噌など日本人にはなじみ深いものが多いイメージがありますが、実はチョコレートも発酵食品のひとつ。
そこで今回は、チョコレートが発酵食品である理由を管理栄養士が解説します。
発酵とは
「発酵」とは、微生物のはたらきによって、食物を人間にとって有益なものに変化させることをいいます。
微生物の発酵によってできた食品を「発酵食品」と呼び、味噌や醤油、チーズ、ヨーグルトなどわたしたちの生活に欠かせないものばかりです。
カカオは発酵食品
カカオ豆は原産国の熱帯雨林で、カカオの果実であるカカオパルプとともに木箱やバナナの葉に包まれます。
この時、木箱やバナナの葉に生息している酵母、乳酸菌、酢酸菌などの菌によって発酵が進み、カカオの香りの元が生まれます。
また、発酵過程でカカオに含まれるたんぱく質やアミノ酸がポリフェノールと反応して、カカオ豆が茶色に変化します。
さらに、発酵によってカカオ豆の渋みと苦みを減らすことができます。
つまり、チョコレートは発酵なしではつくれない立派な「発酵食品」なのです。
カカオを発酵させる微生物
カカオ豆の発酵にはさまざまな微生物が関わっています。
その中でも、酵母、乳酸菌、酢酸菌は発酵の過程でカカオ豆の味を変化させることが分かっています。
これらの微生物がチョコレートの風味にどのような影響を与えているかを紹介します。
①酵母
ビールやワインの酵母と同じように、カカオの発酵でも酵母は豆に付着した糖分の多いパルプと呼ばれる果肉を消化してアルコールを作ります。
この過程で、フルーティーな味わいと、花のような味わいのもととなる物質がつくられることによって、芳醇な風味を持つカカオ豆となります。
②乳酸菌
カカオの果肉に含まれる糖質から乳酸などの酸性物質を作り出します。
これにより作られた乳酸はカカオ豆の酸度を変化させるので、その後の化学反応や微生物の働きに影響を与えます。
③酢酸菌
酢酸菌は、渋みの強い濃い紫色のポリフェノールを、マイルドな味わいの茶色い化学物質に分解するよう促します。
ここで、苦みの強いカカオ豆からコクとナッツのような風味へと変化します。
また、この段階でカカオ豆は赤紫色から茶色へ変化し、私たちがよく知るチョコレートの色となります。
このように、カカオ豆の発酵には微生物が重要な役割を果たしています。
まとめ|発酵食品であるチョコレートの香りや味を楽しんで
「発酵食品」と聞くとヨーグルト、納豆、味噌などのイメージがありますが、
実はチョコレートも発酵食品のひとつです。
酵母や乳酸菌、酢酸菌などさまざまな微生物によって発酵され、カカオ豆は苦みからコクやマイルドな味わい、芳醇な香りが作られ、チョコレート特有の茶色い色に色づきます。
酵母や乳酸菌、酢酸菌の種類や発酵の仕方によっても風味が異なります。
発酵なしでは語れないチョコレート。
みなさんも香りや味に着目して楽しんでみてください。
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参考
・チョコレート・ココアは発酵食品|化学と生物、49(8)、2011