妊娠は人生の大きな喜びである一方、心身ともに大きな変化を伴う時期でもあります。体調の変化、ホルモンバランスの乱れ、出産への不安など、妊婦さんは様々なストレスにさらされています。
「妊娠中のストレスは赤ちゃんに悪影響を与える」という話を聞いて、さらに不安になっている方もいらっしゃるのではないでしょうか。
この記事では、妊娠中のストレスが胎児や母体に与える影響について、医学的根拠に基づいて詳しく解説します。また、すぐに実践できるストレス解消法や、妊娠週数別の対策も紹介しますので、ぜひ参考にしてください。
妊婦のストレスとは|基礎知識と現状

妊娠中にストレスを感じる妊婦は何%?
妊娠中に何らかのストレスや不安を感じる妊婦さんは、実は非常に多いことが分かっています。多くの妊婦さんが、体調の変化、出産への不安、経済的な心配、人間関係のストレスなど、複数の要因でストレスを感じながら妊娠期間を過ごしています。
妊娠中のストレスが増加している社会的背景
現代の日本では、妊婦さんのストレスが増加傾向にあると指摘されています。その背景には、以下のような社会的要因があります。
- 核家族化の進行:親や親族のサポートを受けにくい環境
- 仕事との両立:ワーキングマザーの増加による負担
- 晩婚化・高齢出産:身体的・精神的な負担の増加
- SNSでの情報過多:他人と比較することによる不安
- 地域コミュニティの希薄化:相談相手の不足
一時的なストレスと慢性的なストレスの違い
ストレスには「一時的なストレス」と「慢性的なストレス」があり、それぞれ胎児への影響が異なります。
一時的なストレス 日常生活の中で誰もが感じる軽度のストレスであれば、赤ちゃんへの影響はそれほど大きくありません。むしろ、適度なストレスは母体が対処する力を養うきっかけにもなります。
慢性的なストレス 長期間にわたって強いストレスを受け続けると、母体の血管収縮やホルモンバランスの乱れが継続し、胎児の発育に影響を与える可能性が高まります。
妊婦さんがストレスを感じる10の原因

1. 【妊娠初期】ホルモンバランスの変化とつわり
妊娠初期は、エストロゲンやプロゲステロンなどの女性ホルモンが急激に増加します。このホルモンバランスの変化により、感情のコントロールが難しくなり、イライラしたり落ち込みやすくなったりします。
また、つわりによる吐き気や食欲不振も大きなストレス源です。食べられない、眠れない、仕事に集中できないなど、日常生活に支障が出ることで精神的な負担が増します。
2. 【妊娠中期】体型変化と周囲からのプレッシャー
妊娠中期に入るとお腹が大きくなり、体重も増加します。体型の変化を受け入れられなかったり、妊娠線が出現したりすることにストレスを感じる妊婦さんも少なくありません。
また、周囲から「お腹が小さいね」「体重増えすぎじゃない?」などと言われることもストレスになります。
3. 【妊娠後期】出産への不安と身体の不調
妊娠後期になると、出産が近づくにつれて不安が高まります。陣痛の痛みに耐えられるか、無事に産めるか、赤ちゃんは健康かなど、様々な心配事が頭をよぎります。
また、大きくなったお腹による腰痛、頻尿、息切れ、不眠などの身体的な不調も増え、精神的にも疲弊しやすくなります。
4. パートナーとのコミュニケーション不足
妊娠中は感情の起伏が激しくなるため、パートナーとの衝突が増えることがあります。特に、パートナーが妊娠中の身体的・精神的な変化を理解してくれない、家事や育児準備に協力的でないと感じると、大きなストレスになります。
5. 仕事と妊娠の両立によるストレス
妊娠中も仕事を続ける女性は増えていますが、通勤の負担、体調不良での欠勤への罪悪感、周囲への気遣い、業務調整の難しさなど、多くのストレスを抱えています。
妊娠前のようにパフォーマンスが発揮できないことへの焦りも、ストレスの一因となります。
6. 経済的な不安(出産・育児費用)
出産や育児にかかる費用への不安も、妊婦さんの大きなストレス源です。出産費用、ベビー用品の購入、教育費など、将来的な経済負担を考えると不安になるのは当然です。
特に、産休・育休中の収入減少や、復職後のキャリアへの影響を心配する女性も多くいます。
7. 実母・義母など親族との関係
両親や義両親からの過度な心配やアドバイスが、かえってストレスになることがあります。昔の育児方法を押し付けられたり、食事や生活習慣について口出しされたりすることで、気疲れしてしまう妊婦さんも少なくありません。
8. 上の子の赤ちゃん返り
第二子以降の妊娠では、上の子が赤ちゃん返りをすることがあります。いつもより甘えてきたり、言うことを聞かなくなったりすることで、妊婦さんの負担が増します。
体調が優れない中で上の子の世話をするのは、身体的にも精神的にも大きなストレスです。
9. SNSでの情報過多と比較ストレス
SNSで他の妊婦さんの投稿を見て、自分と比較してしまうこともストレスの原因です。「あの人はこんなに元気そうなのに、私は…」と落ち込んだり、情報が多すぎて何が正しいのか分からなくなったりします。
10. 睡眠不足と体調不良の悪循環
妊娠中は、お腹の大きさ、胎動、頻尿、息苦しさなどで熟睡できないことが多くなります。睡眠不足は心身の疲労を蓄積させ、ストレスへの抵抗力を低下させます。その結果、小さなことでもイライラしやすくなり、悪循環に陥ります。
セルフチェック〜あなたのストレス度診断〜

妊婦さんのストレスチェックリスト20項目
以下の項目に当てはまるものをチェックしてみましょう。
□ 些細なことでイライラすることが増えた
□ 涙もろくなり、すぐに泣いてしまう
□ 夜、なかなか眠れない、または眠りが浅い
□ 食欲がない、または過食してしまう
□ 何事にも興味が持てず、楽しめない
□ 将来のことを考えると不安で仕方ない
□ パートナーや家族に八つ当たりしてしまう
□ 頭痛や肩こりが続いている
□ 動悸や息切れを感じることが多い
□ お腹の張りが頻繁にある
□ 便秘や下痢が続いている
□ めまいやふらつきを感じる
□ 疲れやすく、やる気が出ない
□ 人と会うのが億劫になった
□ SNSを見ると気分が落ち込む
□ 妊娠していることを後悔することがある
□ 赤ちゃんへの愛情を感じられない
□ 自分は良い母親になれないと思う
□ 外出するのが怖い、面倒だと感じる
□ 死にたいと思うことがある
ストレスレベル別の対処法
0〜5個: 軽度のストレス 妊娠中の自然な範囲内です。本記事で紹介するストレス解消法を取り入れ、リフレッシュする時間を作りましょう。
6〜10個: 中度のストレス ストレスが蓄積している状態です。パートナーや家族に相談し、サポートを求めましょう。また、次回の妊婦健診時に医師や助産師に相談することをおすすめします。
11〜15個: 高度のストレス かなりストレスが高い状態です。早めに産婦人科医に相談し、必要に応じてメンタルヘルスの専門家のサポートを受けることを検討しましょう。
16個以上: 危険レベル すぐに医療機関を受診してください。産前産後のうつ症状の可能性があります。一人で抱え込まず、専門家の助けを求めることが重要です。
妊娠中のストレスが胎児に与える5つの影響【医学的根拠】

妊娠中のストレスが胎児に与える影響については、国内外の研究で様々な報告がされています。ここでは、医学的根拠に基づいた影響について解説します。
1. 血管収縮による酸素・栄養不足のメカニズム
ストレスを感じると、人間の体は「戦闘態勢」に入ります。この時、アドレナリンなどのホルモンが分泌され、心臓や脳に優先的に血液が送られるように血管が収縮します。
その結果、子宮への血流が低下し、胎児が胎盤を通じて受け取る酸素や栄養素が不足する可能性があります。この状態が長期間続くと、胎児の発育に影響を及ぼす恐れがあります。
2. ストレスホルモン(コルチゾール)の影響
長期的な強いストレスを受けると、「コルチゾール」というストレスホルモンが大量に分泌されます。通常、コルチゾールは胎盤でブロックされるため胎児には届きませんが、胎盤が未熟な妊娠初期や、何らかの理由で胎盤機能に問題がある場合、胎児にコルチゾールが伝わることがあります。
胎児にコルチゾールが届くと、神経系の発達に影響を与える可能性が指摘されています。
3. 低出生体重児のリスク増加
日本では過去20〜30年の間に、新生児の平均出生体重が約200g低下しているというデータがあります。2500g以下で生まれる低出生体重児も増加傾向にあり、その背景には妊婦の過度なストレスやダイエットなどの肉体的ストレスが関与していると考えられています。
低出生体重児は、将来的に生活習慣病や発達の問題を抱えるリスクが高いとされています。
4. 早産・流産との関連性
慢性的なストレスは子宮収縮を引き起こし、早産や流産のリスクを高める可能性があります。海外の研究では、離婚や大きな人生の変化、地震などの災害といった強いストレスが、自然流産や早産の増加と関連していることが報告されています。
特に妊娠12〜22週頃でも、強いストレスによって流産の割合が増加するという指摘もあります。
5. 出生後の発達への影響(ADHD・情緒不安定)
妊娠中に母体が慢性的なストレスを受けると、生まれてくる赤ちゃんが情緒不安定になったり、うつやADHD(注意欠如多動症)を発症しやすくなったりする可能性が指摘されています。
さらに最近の研究では、妊娠中の母親のストレスが、子どもの思春期発来の時期を早める可能性も示唆されています。
妊娠中のストレスによる母体への影響
ストレスは胎児だけでなく、母体にも様々な影響を及ぼします。
自律神経の乱れと症状
妊娠中はホルモンバランスの変化により、自律神経が乱れやすくなっています。ストレスが加わるとさらに自律神経のバランスが崩れ、以下のような症状が現れることがあります。
- 不眠、眠りが浅い
- 動悸、息切れ
- 頭痛、めまい
- 肩こり、腰痛
- 胃痛、吐き気
- 便秘、下痢
- 手足のしびれ
- イライラ、気分の落ち込み
妊娠高血圧症候群のリスク
ストレスによる血管収縮や血圧上昇が続くと、妊娠高血圧症候群のリスクが高まる可能性があります。妊娠高血圧症候群は、母体や胎児の命に関わる重大な合併症です。
つわりの悪化
ストレスはつわりの症状を悪化させることがあります。吐き気や嘔吐が増え、食事が摂れなくなると、母体の栄養状態も悪化します。
産後うつとの関連性
妊娠中に強いストレスを抱えていた女性は、産後うつを発症するリスクが高いという報告があります。妊娠中からメンタルヘルスのケアを行うことが、産後の健康にも重要です。
今すぐできる妊婦のストレス解消法15選

ここでは、妊婦さんが安全に実践できるストレス解消法を、身体的アプローチ、精神的アプローチ、社会的サポートの3つのカテゴリーに分けて紹介します。
【身体的アプローチ】
1. マタニティヨガ・ストレッチ
妊婦さん向けのヨガやストレッチは、体をほぐし、リラックス効果が期待できます。深い呼吸とゆったりとした動きは、副交感神経を優位にし、ストレスを軽減します。
ポイント:
- 無理のない範囲で行う
- 医師の許可を得てから始める
- お腹を圧迫するポーズは避ける
2. ウォーキングなどの軽い運動
適度な運動は、血流を改善し、気分をリフレッシュさせる効果があります。特にウォーキングは、妊婦さんでも取り組みやすい運動です。
ポイント:
- 1日20〜30分程度、心地よいペースで
- 日光を浴びることで、セロトニン(幸せホルモン)の分泌が促進される
- 体調が悪い日は無理をしない
3. 深呼吸・瞑想法
深呼吸は、いつでもどこでも簡単にできるストレス解消法です。ゆっくりと深く息を吸い、ゆっくりと吐くことで、自律神経が整います。
実践方法:
- 楽な姿勢で座る
- 4秒かけて鼻から息を吸う
- 7秒間息を止める
- 8秒かけて口から息を吐く
- これを5回繰り返す
4. アロマセラピー(妊娠中OK・NGリスト付き)
香りによるリラックス効果も、ストレス軽減に有効です。ただし、妊娠中は使用できないアロマオイルもあるので注意が必要です。
妊娠中でもOKなアロマ:
- ラベンダー(妊娠中期以降)
- オレンジスイート
- グレープフルーツ
- ティートゥリー
妊娠中NGなアロマ:
- ジャスミン
- ローズマリー
- ペパーミント
- セージ
- クラリセージ
5. マッサージ・ツボ押し
マタニティマッサージやツボ押しも、リラックス効果が期待できます。ただし、妊娠中は控えた方が良いツボもあるため、専門家に相談するか、自分で行う場合は注意が必要です。
【精神的アプローチ】
6. 日記・ジャーナリング
今の気持ちを書き出すことで、頭の中が整理され、ストレスが軽減されます。誰かに見せるためではなく、自分の感情を吐き出すために書きましょう。
7. お腹の赤ちゃんへの語りかけ
お腹の赤ちゃんに話しかけることは、母子の絆を深めるだけでなく、ストレス軽減にも効果的です。「今日はこんなことがあったよ」「ママは不安だけど、一緒に頑張ろうね」と語りかけてみましょう。
8. 泣ける映画・音楽で感情を解放
泣くことは、ストレス解消に非常に効果的です。泣ける映画を見たり、感動する音楽を聴いたりして、思い切り涙を流しましょう。涙とともにストレスホルモンが排出されます。
9. 趣味・好きなことに没頭する時間
読書、手芸、料理、音楽鑑賞など、自分の好きなことに時間を使うことも大切です。妊娠中だからこそ、自分のための時間を大切にしましょう。
10. マタニティフォトなど記念作り
マタニティフォトの撮影や、ベビー用品の準備など、楽しい記念作りもストレス解消になります。妊娠期間をポジティブに楽しむことで、気持ちが前向きになります。
【社会的サポート】
11. パートナーや家族への相談
一人で抱え込まず、パートナーや家族に今の気持ちを話しましょう。話を聞いてもらうだけでも、気持ちが楽になります。
12. 妊婦友達・先輩ママとの交流
同じ妊婦さんや、出産経験のある先輩ママと話すことで、「自分だけじゃないんだ」と安心できます。共感してもらえることで、孤独感が和らぎます。
13. 助産師外来・産婦人科での相談
定期的な妊婦健診の際に、不安やストレスについて医師や助産師に相談しましょう。専門家のアドバイスは、心強いサポートになります。
14. オンラインコミュニティの活用
妊婦さん向けのオンラインコミュニティやSNSグループで、同じ悩みを持つ仲間と繋がることができます。ただし、ネガティブな情報に引きずられないよう注意しましょう。
15. 自治体の母親学級・両親学級への参加
自治体が開催する母親学級や両親学級に参加することで、出産や育児の知識を得られるだけでなく、地域の妊婦さんとの交流もできます。
妊娠週数別のストレス対策

妊娠の時期によって、体の変化やストレスの原因が異なります。ここでは、妊娠週数別の具体的なストレス対策を紹介します。
妊娠初期(〜15週)のストレス対策
この時期の特徴:
- つわりによる体調不良
- ホルモンバランスの急激な変化
- 流産への不安
- 周囲にまだ妊娠を公表していない孤独感
対策:
- 無理をしない:つわりがひどい時は、仕事や家事を最小限にする
- こまめな休憩:疲れを感じたらすぐに横になる
- 食べられるものを食べる:つわり中は栄養バランスより食べられることを優先
- 信頼できる人に話す:一人で抱え込まず、早めにパートナーや家族に相談
- 妊娠を告白するタイミングを考える:職場への報告時期を検討
妊娠中期(16〜27週)のストレス対策
この時期の特徴:
- つわりが落ち着き、安定期に入る
- お腹が目立ち始め、周囲の注目が増える
- 胎動を感じ始める
- 体重管理のプレッシャー
対策:
- 適度な運動を始める:マタニティヨガやウォーキングを習慣化
- 体重管理を過度に気にしすぎない:医師の指導の範囲内であれば問題ない
- 胎動を楽しむ:赤ちゃんとの交流を楽しみ、母子の絆を深める
- マタニティウェアを楽しむ:お気に入りの服で気分を上げる
- 出産準備を少しずつ始める:ベビー用品の準備を楽しむ
妊娠後期(28週〜)のストレス対策
この時期の特徴:
- お腹が大きく、動きにくくなる
- 腰痛、頻尿、息切れなどの不調
- 出産への不安が高まる
- 睡眠不足
対策:
- 休息を最優先にする:無理な予定は入れず、体を休める
- 抱き枕を活用:横向きで寝る姿勢をサポート
- 出産への不安を具体化:何が不安なのかを書き出し、対策を考える
- バースプランを作成:希望する出産スタイルを考えることで不安が軽減
- 入院準備を整える:準備ができていることで安心感が得られる
シチュエーション別ストレス対処法

仕事でストレスを感じたとき
対処法:
- 上司や人事に妊娠を報告し、業務調整を依頼する
- 時短勤務や在宅勤務の制度を利用できるか確認
- 通勤時間をずらして、混雑を避ける
- 完璧を求めすぎず、できる範囲で取り組む
- 産休・育休の制度を事前に確認し、不安を解消
パートナーとケンカしたとき
対処法:
- 感情的にならず、冷静になってから話し合う
- 「〜してくれない」ではなく「〜してほしい」と具体的に伝える
- 妊娠中のホルモンバランスの変化を説明し、理解を求める
- 妊婦健診や両親学級に一緒に参加してもらう
- お互いにリフレッシュする時間を作る
義母からのプレッシャーを感じたとき
対処法:
- パートナーに間に入ってもらう
- 「ありがとうございます」と受け流すスキルを身につける
- 医師や助産師の意見を引き合いに出す
- 距離を取ることも選択肢の一つ
- 会う頻度や時間を調整する
経済的な不安に襲われたとき
対処法:
- 出産・育児にかかる費用を具体的にリストアップ
- 自治体の助成金や支援制度を調べる
- 出産育児一時金などの公的支援を確認
- 家計の見直しをして、節約できる部分を探す
- パートナーと将来設計について話し合う
赤ちゃんの健康が心配なとき
対処法:
- 定期的な妊婦健診を受け、医師に相談
- エコー写真を見て、赤ちゃんの成長を実感する
- 心配しすぎないよう、信頼できる情報源のみを参考にする
- 胎動を感じることで安心感を得る
- 必要に応じて出生前診断を検討
パートナー・家族ができるサポート

妊婦さんのストレスを軽減するには、周囲のサポートが不可欠です。ここでは、パートナーや家族ができるサポートを紹介します。
妊婦さんの気持ちを理解するために知っておくべきこと
- ホルモンバランスの変化で感情が不安定になる:イライラや涙もろさは本人のせいではない
- つわりは本当につらい:外見からは分からないが、吐き気や倦怠感は深刻
- 体の変化に戸惑っている:体型の変化を受け入れるには時間がかかる
- 出産への不安は大きい:陣痛や出産への恐怖は想像以上
- 一人で抱え込みやすい:自分から助けを求められないことが多い
パートナーがしてはいけないNG行動5つ
- 「俺も疲れてる」と疲労を競う:妊娠の疲労は比較できない
- 体型や体重の変化を指摘する:デリケートな問題なので触れない
- 他の妊婦と比較する:「〇〇さんは元気そうなのに」は禁句
- 「母親になるんだから」とプレッシャーをかける:本人が一番わかっている
- スマホばかり見て話を聞かない:向き合って話を聞くことが大切
具体的なサポート方法
家事のサポート:
- 買い物、料理、掃除、洗濯などを積極的に分担
- 重いものを持つ、高いところの作業は代わりに行う
- 家事代行サービスの利用も検討
精神的なサポート:
- 毎日の体調を気遣う声かけ
- 不安や悩みをじっくり聞く
- 「ありがとう」「よく頑張ってるね」と労う言葉をかける
- 妊婦健診に付き添う
実用的なサポート:
- 出産・育児に関する知識を一緒に学ぶ
- ベビー用品の準備を手伝う
- 両親学級に一緒に参加する
- 産後の生活について一緒に計画する
リフレッシュのサポート:
- マタニティフォトの撮影を提案
- 妊婦さんの好きなレストランに連れて行く
- マッサージやマタニティエステをプレゼント
- 一緒に散歩やウォーキングに出かける
妊娠中のストレスでやってはいけないこと

ストレス解消のつもりが、かえって母体や胎児に悪影響を及ぼす行動もあります。以下の点に注意しましょう。
過度な我慢は禁物
ストレスを感じているのに我慢し続けると、心身に大きな負担がかかります。「妊婦だから我慢しなきゃ」と思い込まず、つらい時は周囲に助けを求めましょう。
飲酒・喫煙でのストレス解消はNG
妊娠中の飲酒や喫煙は、胎児に深刻な影響を与えます。ストレス解消のためであっても、絶対に避けなければなりません。受動喫煙も避けましょう。
過度な運動・無理なダイエット
適度な運動はストレス解消に有効ですが、過度な運動は逆効果です。また、妊娠中の無理なダイエットは、低出生体重児のリスクを高めます。
睡眠薬・精神安定剤の自己判断服用
不眠やストレスがひどいからといって、自己判断で薬を服用するのは危険です。必ず医師に相談し、妊娠中でも服用可能な薬を処方してもらいましょう。
ネガティブな情報ばかりを見る
SNSやネット上のネガティブな情報ばかりに触れると、不安やストレスが増幅します。信頼できる情報源を選び、ネガティブな情報からは距離を置きましょう。
こんなときは要注意!医師に相談すべきサイン
以下のような症状がある場合は、早めに医師に相談しましょう。
うつ症状のチェックリスト
□ 2週間以上、気分が落ち込んだ状態が続いている
□ 何をしても楽しめず、興味が持てない
□ 食欲がない、または過食してしまう
□ 眠れない、または過度に眠ってしまう
□ 疲れやすく、何もする気が起きない
□ 自分を責めてばかりいる
□ 集中力や判断力が低下している
□ 死にたいと思うことがある
3つ以上当てはまる場合は、産前産後のうつ症状の可能性があります。
産婦人科・メンタルヘルス外来の活用
妊娠中のメンタルヘルスは、母体と胎児の健康に直結します。うつ症状や強い不安がある場合は、産婦人科医に相談しましょう。必要に応じて、精神科や心療内科、カウンセリングを紹介してもらえます。
妊娠中でも服用できる薬・漢方
妊娠中でも、医師の判断のもとで服用できる薬や漢方があります。我慢せずに、医師に相談しましょう。
妊娠中でも処方されることがある薬
- 一部の抗うつ薬
- 不安を和らげる漢方薬(半夏厚朴湯、加味帰脾湯など)
- 不眠に対する漢方薬
※重要:自己判断での服用は絶対に避け、必ず医師に相談してください。
妊婦のストレスに関するQ&A
Q1: ストレスでダウン症になることはありますか?
A: いいえ、妊娠中のストレスがダウン症の原因になることはありません。
ダウン症(21トリソミー)は、21番染色体が通常2本のところ3本ある染色体異常症です。主な原因は高齢妊娠による卵子や精子の老化であり、妊娠中のストレスやコルチゾールの分泌過多がダウン症を引き起こすことはありません。
Q2: イライラして泣いてしまうのは異常ですか?
A: いいえ、妊娠中に感情のコントロールが難しくなるのは正常な反応です。
妊娠によるホルモンバランスの変化により、イライラしたり涙もろくなったりするのは自然なことです。ただし、2週間以上気分の落ち込みが続く場合は、産前うつの可能性もあるため、医師に相談しましょう。
Q3: 仕事はいつまで続けるべき?
A: 個人の体調や仕事内容によりますが、無理は禁物です。
体調が良好で、医師の許可があれば、産休に入る直前まで働くことも可能です。ただし、つわりがひどい、切迫早産の危険がある、通勤が困難などの場合は、早めに産休を取得したり、休職したりすることを検討しましょう。
Q4: ストレスで流産することはありますか?
A: 一時的なストレスで流産することは通常ありません。
しかし、離婚、近親者の死、災害など、非常に強い慢性的なストレスが続くと、流産や早産のリスクが高まる可能性があります。強いストレスを感じている場合は、医師に相談し、適切なサポートを受けましょう。
Q5: 夫にストレスを感じるのは私だけ?
A: いいえ、多くの妊婦さんが同じ悩みを抱えています。
妊娠中は感情が不安定になりやすく、パートナーの些細な言動にイライラすることは珍しくありません。また、パートナーが妊娠中の変化を理解してくれないことへの不満も、多くの妊婦さんが感じています。冷静に話し合い、お互いの気持ちを理解し合うことが大切です。
Q6: 上の子にイライラしてしまいます
A: 体調が優れない中での育児は大変です。罪悪感を持つ必要はありません。
上の子の赤ちゃん返りや、思うように動けない自分へのもどかしさから、イライラしてしまうのは当然です。パートナーや両親に協力を求め、一人で抱え込まないようにしましょう。上の子との特別な時間を作ることも、赤ちゃん返りの軽減に効果的です。
Q7: 妊娠中にカウンセリングを受けてもいい?
A: はい、妊娠中のカウンセリングは有効な支援です。
妊娠中のメンタルヘルスケアは、母体と胎児の健康のために重要です。カウンセリングを受けることで、ストレスや不安が軽減され、産後のメンタルヘルスにも良い影響があります。産婦人科医に相談すれば、専門機関を紹介してもらえます。
Q8: ストレスで胎動が減ることはある?
A: ストレスホルモンが胎児に影響すると、一時的に胎動や心拍が減ることがあります。
ただし、長時間胎動を感じない場合は、ストレス以外の原因も考えられます。いつもより胎動が少ないと感じたら、すぐに産婦人科に連絡しましょう。
【編集部おすすめ】妊婦さん専用チョコレートのご紹介
最後に私たち編集部がお勧めする、特別なチョコレートをご紹介させてください。
「え、チョコレート?カフェインや糖分が気になるし、妊婦さんへのプレゼントには不向きじゃないの?」
そう思われたかもしれません。そのお気持ち、とてもよく分かります。食べ物に人一倍気を使う妊娠期間中だからこそ、心から「美味しい」と思える、そして何より「安心」なものを食べたいですよね。
もし、その両方を叶えるチョコレートがあるとしたら…?
妊婦さんのためのチョコレート『Enchamble』3つのこだわり

『Enchamble』は、ただのチョコレートではありません。大切なあなたとお子さんの、心と体を第一に考えて作られた、特別な一粒です。そこには、3つの譲れないこだわりが詰まっています。
こだわり①:安心のカフェインレス
私たちが何よりもこだわったのは、妊婦さんが一切の心配なく、その美味しさを楽しめること。だから『Enchamble』のチョコレートはカフェインレス。これなら、午後のひとときに、そして寝る前のリラックスタイムに、時間を気にせず安心して召し上がっていただけます。
こだわり②:体に嬉しい栄養素をプラス

私たちは、ただ「安心」なだけでは満足しませんでした。どうせなら、ママと赤ちゃんの体のための「栄養」にもなったら、もっと素敵だと考えたのです。『Enchamble』には、妊娠中に特に必要とされる「葉酸」「鉄分」「ビタミンB12」を、美味しく補えるように配合しています。サプリメントのように義務的に摂るのではなく、「美味しいから、また食べたい」。そんなポジティブな栄養摂取を可能にしました。体をいたわるお守りのようなチョコレートです。
こだわり③:医師の太鼓判つき!
THIRD CLINIC院長 三輪綾子さん(産婦人科専門医)からも「このチョコレートには妊娠前から摂取が推奨されている葉酸が含まれています。葉酸は胎児の健康、そして赤血球の産生にも役立つ大切なビタミンです。一粒で食べ応えがあり、美味しいチョコレートで栄養補給ができるのでストレス軽減やご褒美として食べてみるのも良いのではないでしょうか」とコメントをいただいております。専門家からの太鼓判もある、安心と信頼のチョコレートです。
まとめ|妊娠中のストレスと上手に付き合うために
妊娠中のストレスは、誰もが感じる自然な反応です。以下のポイントを押さえて、ストレスと上手に付き合いましょう。
重要ポイント:
✓ ストレスは妊娠中の自然な反応:自分を責めすぎないことが大切
✓ 一時的なストレスは心配しすぎない:慢性的なストレスに注意
✓ 胎児への影響を理解する:正しい知識を持つことで不安が軽減
✓ すぐにできる対策から始める:深呼吸、散歩、誰かに話すなど
✓ 一人で抱え込まない:パートナー、家族、医師に相談する
✓ 妊娠週数に合わせた対策を:時期によって必要なケアは異なる
✓ 周囲のサポートを受け入れる:助けを求めることは弱さではない
✓ 危険なサインを見逃さない:うつ症状があれば早めに受診
✓ 自分をいたわる時間を作る:妊娠中こそ、自分を大切に
妊娠は、人生の中でも特別な時期です。不安やストレスを感じることは決して恥ずかしいことではありません。
「完璧な妊婦」を目指す必要はありません。体調が悪い日もあれば、イライラする日もあります。それでいいのです。
大切なのは、ストレスを感じたら一人で抱え込まず、誰かに話すこと。そして、できる範囲でストレス解消法を実践すること。
お腹の赤ちゃんと一緒に、今しかないこの時期を、できるだけ穏やかに過ごしてください。
あなたとお腹の赤ちゃんの健康を、心から願っています。
参考
- ユニ・チャーム「妊娠中のストレスが胎児に与える影響」
- ヒロクリニックNIPT「妊娠中のストレスによる胎児への影響【医師監修】」
- パンパース「妊娠中のストレス解消法」
- 新型出生前診断NIPTナビ「妊娠7か月の妊婦さんがストレスを抱える理由」
- ヒロクリニックNIPT「妊娠初期のストレスは胎児に伝わる?【医師監修】」
- 1more Baby応援団「早産、低出生体重児だけではない!?妊娠中のストレスが胎児へ及ぼす影響」
- メディカルノート「妊娠中にストレスがたまるとどうなるの?原因や対策について」
- 株式会社エバーセンス「妊婦のストレスは胎児に悪影響?妊娠中はなぜストレスを感じやすい?」
※本記事の医学的情報は、上記の医師監修記事を参考にしておりますが、個別の症状については必ず医療機関にご相談ください。