妊婦は栄養ドリンクを飲んでもいい？安全な選び方とつわり・疲れにおすすめ10選【医師監修】

妊娠おめでとうございます。赤ちゃんに会えるのが楽しみな反面、妊娠中は想像以上に体が辛いですよね。

「朝起きるのがしんどい」「つわりで気持ち悪い」「体が重くて動けない」……。

そんなとき、コンビニやドラッグストアで売っている栄養ドリンクを飲んで、少しでも楽になりたいと思うのは当然のことです。

でも、「お腹の赤ちゃんに影響はないかな？」「カフェインが入っているけど大丈夫？」と不安になって、結局ガマンしてしまう方も多いのではないでしょうか。

正しいルールを知れば、強い味方になります！

結論から言うと、妊婦さんが栄養ドリンクを飲むことは、正しい選び方さえ守れば全く問題ありません。

むしろ、食事がとれない時や、貧血でフラフラする時には、栄養ドリンクがママと赤ちゃんの健康を助けてくれることもあります。

この記事では、難しい医学用語は使わずに、「これさえ守れば安心！」という選び方のルールと、「先輩ママも飲んでいる安全なおすすめドリンク」を紹介します。

これを読めば、もう迷わずに自分に合った一本を選べるようになりますよ。

妊婦さんは栄養ドリンクを飲んでもいい？まずは結論をチェック

まずは、「飲んでいいもの」と「ダメなもの」の見分け方を知りましょう。

箱やビンに「妊娠授乳期の栄養補給」と書いてあればOK

栄養ドリンクには、法律で決められたいくつかの種類があります。

一番簡単な見分け方は、パッケージの裏面や側面の「効能・効果」という欄を見ることです。

そこに、以下の言葉が書いてあるか探してみてください。

「妊娠授乳期などの場合の栄養補給」

この言葉が書いてあれば、「妊婦さんが飲んでも安全だと、国（厚生労働省）が認めた商品」だという証拠です。

メーカーがしっかりと検査をして、赤ちゃんに悪影響がないように作られているので、安心して飲むことができます。

ただし「カフェイン」と「アルコール」には気をつけて！

「妊娠授乳期〜」と書いてあっても、注意してほしい成分が2つあります。

カフェイン
- コーヒーやお茶に含まれる成分です。
- 妊娠中はカフェインを分解する力が弱まるため、体の中に長く残ってしまいます。
- とりすぎると、赤ちゃんの発育に影響したり、貧血になりやすくなったりします。
- 「1日200mgまで（コーヒー2杯分くらい）」なら大丈夫と言われていますが、できれば少ないほうが安心です。
アルコール
- 栄養ドリンクの中には、生薬（しょうやく）という成分を抽出するために、ほんの少しアルコールを使っているものがあります。
- 妊娠中は「アルコールは一滴も飲まない」のが理想です。成分表を見て、「アルコール」が入っていないか確認しましょう。

失敗しない！妊娠中に栄養ドリンクを選ぶ4つの基準

安全に、そして効果的に疲れをとるために、次の4つのポイントで選びましょう。

①「ノンカフェイン（カフェインゼロ）」を選ぶ

これが一番大切で、一番かんたんな選び方です！

パッケージに「ノンカフェイン」や「カフェインゼロ」と大きく書いてあるものを選べば間違いありません。

これなら、寝る前に飲んでも目が冴えてしまう心配もないですし、胃への負担も少なくて済みます。

② カロリーや糖分が低いものを選ぶ

妊娠中は、ホルモンの影響で血糖値（血液中の糖分）が上がりやすくなっています。

甘くて飲みやすいドリンクには、砂糖がたくさん入っていることがあります。

毎日飲んだり、体重が増えすぎている時に飲むなら、「糖類ゼロ」や「低カロリー（10kcal以下）」のものを選びましょう。

③ 自分の「悩み」に合った成分で選ぶ

「なんとなく良さそう」ではなく、「今の自分の辛さ」に効く成分が入っているか見てみましょう。

悩み・症状	おすすめの成分	どんな働きをするの？
体がだるい・疲れた	ビタミンB群	食べたものをエネルギーに変えるのを助けます。
疲れがとれない	タウリン	肝臓（かんぞう）の働きを助けて、元気を底上げします。
立ちくらみ・めまい	鉄分	血液（ヘモグロビン）の材料になります。貧血対策に。
つわり・吐き気	ビタミンB6	つわりのムカムカを和らげる効果があると言われています。
眠れない	グリシン	ぐっすり眠れるようにサポートしてくれます。

④ 添加物が気になるなら「無添加」を

保存料や着色料が気になる方は、「無添加」と書かれたものを選びましょう。

また、つわりの時は人工的な香りがダメになることもあるので、フルーツ果汁など自然な味のものを選ぶと飲みやすいですよ3。

【症状・悩み別】妊婦さんにおすすめの栄養ドリンク・サプリ飲料10選

ここからは、さきほどの基準をクリアした、妊婦さんに人気の商品を紹介します。ドラッグストアやコンビニで探してみてくださいね。

【だるさ・疲労感に】ノンカフェインの定番栄養ドリンク

「とにかく疲れた…」という時におすすめの、効果がしっかり認められたドリンクです。

1. リポビタンフィール（大正製薬）

特徴: カフェインゼロ、低カロリー（約7kcal）。
ここがおすすめ:妊婦さん向けドリンクの王道です。カシス＆グレープフルーツ味で、ジュースのように美味しく飲めます。「グリシン」が入っているので、寝る前に飲むとぐっすり休めるかもしれません。

2. チオビタドリンクアイビタスゼロ（大鵬薬品工業）

特徴: 第3類医薬品、糖類ゼロ。
ここがおすすめ:「愛情一本」のチオビタの、カフェインが入っていないバージョンです。ブルーベリー味で飲みやすく、疲れをとるビタミンがたっぷり入っています。

3. リポビタンノンカフェ（大正製薬）

特徴: 100mLの大容量。
ここがおすすめ:リポビタンDのカフェイン抜きバージョンです。コンビニによく置いてあるので、「今すぐ飲みたい！」という時にすぐ手に入ります。

4. ユンケル黄帝液L DCF（佐藤製薬）

特徴: 生薬（しょうやく）入り。
ここがおすすめ:「今日はどうしても頑張らなきゃいけない」という時の強い味方。体を温める成分が入っているので、冷えが気になる人にも。少しお値段は高いですが、頼りになります。

【貧血・立ちくらみに】鉄分補給ができるドリンク

妊娠中は血液が薄まって、フラフラしがちです。そんな時は鉄分を補給しましょう。

5. アルフェネオ（大正製薬）

特徴: 鉄分4.5mg配合。
ここがおすすめ:鉄分入りのドリンクといえばコレ。青リンゴ味で、鉄っぽい味が苦手な人でも飲みやすいです。カロリーも低いので毎日続けられます。

6. チョコラBB Feチャージ（エーザイ）

特徴: 鉄分5mg配合。
ここがおすすめ:肌荒れケアで有名なチョコラBBの鉄分ドリンクです。プルーン＆ピーチ味で濃厚な美味しさ。お肌の調子が気になる時にもおすすめです。

【つわりで辛い時に】飲みやすい・さっぱり系ドリンク

つわりの時は、「栄養をとらなきゃ」と思いつめず、「飲めるもの」を飲みましょう。

7. inゼリーマルチミネラル（森永製菓）

特徴: ゼリー飲料。
ここがおすすめ:紫色のパッケージが目印。ご飯が食べられない時でも、ツルッと飲めます。鉄分やカルシウムなど、つわりで不足しがちなミネラルがこれ1つで補えます。

【風邪気味・免疫力】体を温める・ビタミン補給系

妊娠中は普通の風邪薬が飲めないことが多いので、早めのケアが大切です。

8. ユンケル黄帝顆粒DCF（佐藤製薬）

特徴: お湯に溶かす顆粒タイプ。
ここがおすすめ:「寒気がするかも？」と思ったらコレ。カフェインが入っていないので、飲んで温かくしてすぐに寝ましょう。常備薬として置いておくと安心です。

9. ママスタイルミルクティー（和光堂）

特徴: 葉酸入りカフェインレス紅茶。
ここがおすすめ:温かくて甘い飲み物は、心も体もホッとさせてくれます。葉酸や鉄分も入っているので、ティータイムを楽しみながら栄養補給ができます。

10. C1000ビタミンレモン（ハウスウェルネスフーズ）

特徴: ビタミンCたっぷり。
ここがおすすめ:酸っぱいものが欲しくなる時におすすめ。ビタミンCは風邪予防にもなりますし、鉄分の吸収も助けてくれます。

市販の栄養ドリンク、これって飲んでも大丈夫？【Q&A】

よくある疑問について、ズバリお答えします。

Q1. 「オロナミンC」は飲んでも平気？

A. たまにならOKですが、毎日は控えましょう。

「オロナミンCを飲むと陣痛が来る」というジンクスがありますが、医学的な根拠はありません。

カフェインは少し入っていますが（コーヒーの1/4くらい）、それよりも糖分が多いのが気になります。

毎日飲むと太りやすくなるので、「どうしても元気を出したい時の楽しみ」くらいにしておきましょう。

Q2. レッドブルやモンスターなどの「エナジードリンク」は？

A. 妊娠中は「やめておきましょう」。

これは絶対に気をつけてください。「栄養ドリンク（リポビタンなど）」と「エナジードリンク（レッドブルなど）」は全く別物です。

エナジードリンクの危険な点:
- カフェインが多すぎる: 1本で1日の上限近くまでいってしまうこともあります。
- 砂糖が多すぎる: 血糖値が急に上がってしまいます。
- ハーブ: 妊娠中には安全かどうかわからないハーブが入っていることがあります。

赤ちゃんが生まれて、授乳が終わるまでは我慢しましょう。

Q3. 1日何本まで飲んでいい？

A. 「1日1本」を守ってください。

「体に良いならたくさん飲んでもいい？」と思うかもしれませんが、ビタミンのとりすぎも良くありません。

パッケージに書いてある通り、「1日1回1本」を必ず守ってくださいね。

栄養ドリンク以外で妊娠中の疲れを解消する方法

ドリンクだけに頼らず、普段の生活で少し工夫するだけでも楽になります。

鉄分や葉酸を含む「食事」と「おやつ」

疲れの原因は「貧血」かもしれません。

食事: 赤身のお肉や魚、小松菜、納豆などを意識して食べましょう。
おやつ（補食）: お菓子の代わりに、小さなおにぎりやバナナ、チーズなどをこまめに食べると、血糖値が安定してつわりや疲れが軽くなります。

質の高い睡眠をとる

お腹が大きくなると、仰向けで寝るのが苦しくなります。

体の左側を下にして横向きになり、足に抱き枕などを挟む「シムスの体位」という寝方を試してみてください。とても楽になりますよ。

どうしても辛い時は病院へ

栄養ドリンクを飲んでも、寝ても、どうにもならないくらい辛い時は、我慢せずに産婦人科の先生に相談してください。

ひどい貧血や、他の病気が隠れていることもあります。「妊婦だから仕方ない」と思わないでくださいね。

おわりに

妊娠生活は、ゴールのあるマラソンのようなものです。

でも、その道のりは山あり谷ありで、本当に大変ですよね。

栄養ドリンクは、そんな頑張るママを助けてくれる「給水所のお水」のような存在です。

「ノンカフェイン」「指定医薬部外品」というルールさえ守れば、あなたの強い味方になってくれます。

今日ご紹介した『リポビタンフィール』や『アルフェネオ』など、気になったものをバッグに入れてお守りにしてみてはいかがでしょうか。

また、手軽に栄養を取りたい方には私たちが作っているandewホワイトチョコレートもおすすめです。

andewが初めて作ったホワイトチョコレート。ひとくちで、ミルクのリッチなコクとまろやかな甘みがふわりと香ります。

このandewホワイトチョコレートには、妊娠中に嬉しい2つのポイントがあります。

①ノンカフェイン

数多くの栄養ドリンクとは異なり、andewホワイトチョコレートはノンカフェイン。コーヒーや紅茶と一緒に食べてリラックスする時にも安心です。

② 豊富な栄養

andewの他商品同様、完全栄養食を実現するためにカカオ、アーモンド、チアシード、きなこ、ココナツ、ケシの実、昆布、抹茶など、栄養豊富な素材を絶妙なバランスで組み合わせました。

「いざとなったらこれがある」と思えるだけで、少し気持ちが楽になるはずです。

今は、世界で一番大切なお仕事「命を育てること」をしている最中です。

だからこそ、便利なアイテムに頼って、自分をいたわってあげてくださいね。元気な赤ちゃんに会える日まで、無理せず乗り切っていきましょう！