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「妊婦で寝苦しい…」眠れない夜を乗り切る!楽な寝姿勢「シムス位」と5つの快眠対策

「夜、眠りたいのにお腹が苦しくて目が冴えてしまう…」

「寝返りを打つたびに目が覚めて、朝からぐったり…」

妊娠中、こうした睡眠の悩みを抱えている方は本当に多いものです。お腹の中で赤ちゃんを育てているのですから、体が思うようにならないのは当たり前のこと。それでも、眠れない夜が続くと「赤ちゃんに悪い影響がないかな?」「明日の検診、大丈夫かな?」と不安になってしまいますよね。

実は、妊婦さんの約8割が何らかの睡眠トラブルを経験していると言われています 。これはあなたのせいではなく、ホルモンバランスの変化やお腹の大きさによる、ごく自然な体の反応なのです。

この記事では、今の辛い寝苦しさを少しでも和らげるための具体的な方法をご紹介します。特に、医学的にも推奨される楽な寝姿勢「シムス位」の正しい作り方や、今日からできる快眠対策をまとめました。

読み終わる頃には、「今日はこうして寝てみよう」と、少し心が軽くなっているはずです。まずは深呼吸をして、リラックスして読んでみてくださいね。


なぜ?妊娠中に「寝苦しい」「眠れない」と感じる主な原因

妊娠中の不眠や寝苦しさには、時期ごとに異なるいくつかの明確な原因があります。これらが複雑に絡み合って、「眠れない夜」を引き起こしているのです。

お腹の張り・大きさによる圧迫感(物理的要因)

妊娠中期から後期にかけて最も大きな原因となるのが、物理的なお腹の大きさです。

子宮が大人の頭ほどの大きさになり、内臓を押し上げ始めると、横になった時に肺が圧迫されて息苦しさを感じやすくなります。また、これまで慣れ親しんでいた「うつ伏せ」や「仰向け」ができなくなることで、リラックスできる寝姿勢が見つからず、夜中に何度も寝返りを繰り返してしまうのです。

女性ホルモンの変化とつわり(体質的要因)

妊娠中に分泌されるホルモンは、睡眠に大きな影響を与えます。

  • プロゲステロン(黄体ホルモン): 妊娠を維持するために不可欠なホルモンですが、体温を高く保つ作用があります。これにより、「ほてり」を感じて寝つきが悪くなったり、日中に強い眠気(眠りづわり)を引き起こして夜の睡眠リズムを崩したりします。
  • エストロゲン(卵胞ホルモン): 妊娠中期以降に増え、眠りを浅くする(レム睡眠を増やす)傾向があります。そのため、少しの物音や刺激ですぐに目が覚めてしまうようになります。

つわりの吐き気や胃のムカムカ(胸焼け)も、入眠を妨げる大きな要因です。

頻尿やこむら返り、胎動による中途覚醒

「やっと眠れたと思ったのに…」と目を覚まさせる原因も多岐にわたります。

  • 頻尿: 大きくなった子宮が膀胱を圧迫するため、夜間に何度もトイレに起きてしまいます。
  • こむら返り: ミネラル不足や血行不良により、明け方にふくらはぎがつって激痛で目覚めることがあります。
  • 胎動: 赤ちゃんが夜行性の場合、寝ようとリラックスした瞬間に激しく動き出し、物理的に起こされてしまうことも珍しくありません。

出産・育児への不安(精神的要因)

「無事に産まれてきてくれるかな」「陣痛はどれくらい痛いんだろう」「親としてやっていけるかな」といった不安は、夜静かになると頭をもたげます。こうしたストレスや不安は交感神経を刺激し、脳を覚醒状態にしてしまうため、布団に入っても目が冴えて眠れなくなってしまいます 。


妊婦さんに推奨される一番楽な寝姿勢「シムス位」とは?

お腹が大きくなって寝苦しい時、産婦人科医や助産師さんがまず勧めるのが「シムス位(Sims Position)」です。これは、母体への負担を減らし、赤ちゃんへの血流も確保できる、妊婦さんにとっての「最強の休息ポーズ」と言われています。

シムス位の正しいやり方

ただ横を向くだけではなく、少しコツがあります。クッションや抱き枕を使うと、より楽な姿勢が作れますよ。

  1. 体の左側を下にして横になる:まずはベッドの左側を下にして横向きになります。
  2. 左足(下側の足)を楽に伸ばす:下になっている左足は、少し背中側に引くか、自然に伸ばしてリラックスさせます 8。
  3. 右足(上側の足)を曲げて前に出す:ここがポイントです!上になっている右足の股関節と膝を曲げ、左足よりも前に出します。右膝の下にクッションや抱き枕を挟み、膝をベッドに接地させると安定します。
  4. 上半身を少しうつ伏せ気味にする:右手(上の手)を前に出し、上半身を少しだけうつ伏せ気味に倒します。こうすることで、お腹の重みがベッドやクッションに分散され、腰への負担が軽くなります。

なぜ「左側」を下にするのが良いの?

「シムス位=左向き」と推奨されるのには、医学的な理由があります。

人間の体の中にある「下大静脈」という太い血管は、背骨の右側を通っています。もし仰向けや右向きで寝ると、重たい子宮がこの血管を圧迫し、血液の流れを悪くしてしまう恐れがあるのです。

左側を下にして寝ることで、この圧迫を回避し、お母さんの心臓や赤ちゃん(胎盤)への血液循環をスムーズに保つことができます。

※辛くなければ右側でもOK!
基本は左側がおすすめですが、ずっと同じ向きだと耳や肩が痛くなることもありますよね。短時間であれば右側を下にしても大丈夫です。一番大切なのは「お母さんがリラックスできること」。苦しくなければ、右向きで寝ても問題ありませんよ。

仰向け寝・うつ伏せ寝はいつまでOK?

  • 妊娠初期(〜15週頃): 子宮はまだ骨盤の中に収まっているので、仰向けでもうつ伏せでも、好きな姿勢で寝てOKです。
  • 妊娠中期以降(16週頃〜): お腹が出てくると、うつ伏せは物理的に難しくなります。また、仰向け寝は「仰臥位低血圧症候群(ぎょうがいていけつあつしょうこうぐん)」という貧血のような症状(気分が悪くなる、冷や汗など)を引き起こすリスクが高まります。お腹が大きくなってきたなと感じたら、意識的に横向きで寝る習慣をつけていきましょう。もし寝ている間に仰向けになってしまっても、目覚めた時に気分が悪くなければ過度に心配する必要はありません。

シムス位だけじゃない!寝苦しさを解消するおすすめアイテムと工夫

シムス位を試しても「やっぱり寝づらい」という方は、アイテムを使って寝床の環境をカスタマイズしてみましょう。

抱き枕(ボディピロー)を活用する

妊娠中の必須アイテムとも言えるのが抱き枕です。シムス位をとる際、抱き枕に腕と足を乗せて抱きつくと、体圧が分散されて劇的に楽になります。

  • 三日月型・C字型: 体のラインにフィットしやすく、産後は授乳クッションとして使えるものも多くて便利です。
  • 選び方: 身長に合った長さがあり、自分の好みの硬さのものを選びましょう。

背中にクッションを挟んで「セミリクライニング」

胃酸が逆流して胸焼けが辛い時や、息苦しさを感じる時は、完全に横にならず、上半身を少し起こした「セミファーラー位」がおすすめです。

背中にクッションや座布団を積み重ね、15〜30度くらいの角度をつけてもたれかかります。呼吸が楽になり、胃の不快感も軽減されますよ。

寝具とパジャマの見直し

妊娠中は肌が敏感になり、体温も高くなるため、汗をかきやすくなります。

  • パジャマ: 締め付けのないワンピースタイプや、ウエスト調整ができるマタニティパジャマを選びましょう。素材は吸湿性・通気性に優れた「綿100%」や「ガーゼ素材」がおすすめです。肌触りが良いだけで、リラックス度が変わります。
  • マットレス: 腰痛がある場合は、腰が沈み込みすぎない「高反発」のマットレスや、体圧分散効果のあるマットレストッパーを重ねると寝返りが打ちやすくなります。

生活習慣で変える!安眠へと導くナイトルーティン

寝る前のちょっとした習慣を見直すだけで、睡眠の質はグッと上がります。

入浴は就寝の90分前に済ませる

人は、体の中心の温度(深部体温)が下がる時に眠気を感じます。

寝る90分前にお風呂に入り、湯船でしっかり体を温めておくと、お風呂上がりから寝るまでの間に体温が徐々に下がり、自然と深い眠りに誘われます。お湯は38〜40℃くらいの「ぬるめ」がリラックスできておすすめです。

スマホ・カフェイン断ちとリラックス法

  • カフェイン: 妊娠中はカフェインを分解する力が落ちるため、午後以降(特に夕方から)はコーヒーや緑茶を控えましょう。麦茶やルイボスティーなどのノンカフェイン飲料が安心です。
  • スマホ: ブルーライトは脳を覚醒させてしまいます。寝る30分前からはスマホを置き、代わりに好きなアロマの香りを嗅いだり、静かな音楽を聴いたりして過ごしましょう。
  • おすすめのアロマ: 妊娠中期以降なら、リラックス効果のあるラベンダーベルガモットスイートオレンジなどが使いやすくおすすめです(※妊娠初期は香りに敏感になるため注意し、医師に確認しましょう)。
  • 呼吸法: 布団に入ったら、ゆっくりと鼻から吸って口から吐く「深呼吸」を繰り返すだけでも、副交感神経が優位になりリラックスできます。

日中に軽い運動を取り入れる

体調が良ければ、日中にウォーキングやマタニティヨガなどで軽く体を動かしましょう。程よい身体的疲労は、夜の自然な眠気を助けてくれます。ただし、頑張りすぎはお腹の張りにつながるので、無理のない範囲で行ってくださいね。


それでも眠れない時はどうする?「眠らなきゃ」を手放そう

いろいろ試しても眠れない夜はあるものです。そんな時は、発想を転換して心を楽にしましょう。

横になって目をつむるだけで身体は休まる

「一睡もできなかった…」と落ち込む必要はありません。医学的にも、横になって目をつむっているだけ(閉眼安静)で、脳と体は睡眠時の7〜8割程度の休息効果が得られると言われています。

「眠れなくても、横になっているだけで体は休まっているし、赤ちゃんにも血液は届いている」と割り切って、ぼーっとする時間を楽しみましょう。

昼寝をしてもOK!細切れ睡眠で体力を温存

夜にまとめて眠れなくても、日中に眠気を感じたら迷わず昼寝をして不足分を補いましょう。

15〜20分程度の短い昼寝(パワーナップ)は、頭をすっきりさせ、疲労回復に効果的です。

産後は授乳で「細切れ睡眠」が当たり前になります。今の不眠は、そのための予行演習だと思って、眠れる時にこまめに眠るスタイルに切り替えていきましょう。


おわりに

妊娠中の寝苦しさや不眠は、赤ちゃんを育てるために体が変化している証拠です。「眠れない」と焦る必要はありません。

  • 基本の姿勢: 「シムス位(左側臥位)」を試してみる。
  • アイテム活用: 抱き枕やクッションで体を支える。
  • 心の持ち方: 「横になって目をつむるだけでOK」と割り切る。

今日ご紹介した方法をいくつか試してみて、あなたにとって一番楽なスタイルを見つけてくださいね。

もし、どうしても眠れなくて辛い、日常生活に支障が出るという場合は、一人で抱え込まずにかかりつけの産婦人科医に相談してください。

あなたが今夜、少しでもリラックスして休めますように。心から応援しています。

参考

  • この記事を書いた人

andew magazine 編集部

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